丸の内でM&Aを検討する企業オーナーにとって、最初に大切なのは「高く譲渡できるか」だけではありません。社名を伏せたまま検討を始められるか、従業員や主要顧客に不安を与えず進められるか、金融機関や士業との連携をどの段階で行うか、そして譲渡後も事業の信用が保たれるかを同時に考える必要があります。この記事では、丸の内・大手町・東京駅周辺のBtoB企業、専門サービス会社、IT企業、士業関連ビジネス、不動産関連会社、人材会社、商社系企業が会社譲渡を検討する際の進め方を、実務目線で整理します。
丸の内でM&Aを検討する企業が最初に整理すべきこと
丸の内は、大手企業の本社、金融機関、法律事務所、会計事務所、コンサルティング会社、BtoBサービス企業が近接する地域です。取引先との距離が近く、紹介や評判で仕事が広がる一方で、M&Aの検討が外部に伝わることへの警戒感も強い地域だといえます。したがって、丸の内 M&Aの実務では、情報開示の早さよりも、誰に、何を、どの順番で開示するかを設計することが重要です。
会社譲渡の相談は、業績が悪くなってからだけの選択肢ではありません。後継者が不在である、主要メンバーに将来の経営を託しきれない、営業基盤を大きなグループに引き継ぎたい、代表者保証や借入の負担を整理したい、IT投資や採用投資を自社単独で続けるのが重くなってきたなど、検討理由は企業ごとに異なります。
丸の内周辺の企業では、顧客が法人中心で、単価や契約期間が比較的長いケースが多くあります。この場合、買い手や譲受企業は、決算書の数字だけでなく、取引基本契約、継続契約、業務委託契約、賃貸借契約、個人情報管理、キーマンへの依存度、顧客承継の見通しを重視します。最初の段階でこれらを荒くても棚卸ししておくと、後のDDで説明がしやすくなります。
一方で、準備を完璧にしてから相談しようとすると、着手が遅れます。最初は、株主構成、直近3期の決算、月次推移、主要顧客上位10社、従業員構成、借入と代表者保証、賃貸借契約、許認可、主要契約の有無を確認できれば十分です。足りない資料は、検討段階に応じて整えていけば問題ありません。
秘密保持を起点にした進め方
丸の内や大手町の企業オーナーから最も多く聞く不安は、M&Aの検討が従業員、取引先、金融機関、同業者に知られることです。特に人材が競争力の源泉になっている専門サービス会社やIT企業では、情報が広がるだけで採用、退職、顧客対応に影響が出ることがあります。そのため、M&Aの進め方は、秘密保持を最初の設計思想に置くべきです。
相談初期では、実名や詳細な財務資料をいきなり出す必要はありません。まずは匿名相談として、業種、地域、売上規模、利益水準、従業員数、譲渡を検討する背景、譲渡後に守りたい条件を整理します。そのうえで、買い手候補に開示するノンネーム資料を作成します。ノンネーム資料には、社名、住所、代表者名、主要顧客名、容易に特定される固有情報を入れず、事業の魅力と規模感だけを伝えるのが基本です。
NDAは、実名開示や詳細資料の提示に進む前の関門です。NDAの締結範囲、利用目的、開示先、複製管理、返還・廃棄、損害発生時の扱いを確認し、買い手候補の社内で誰まで情報を見られるかも把握します。特に上場企業、投資会社、同業会社、取引先候補では、情報管理の運用が異なるため、画一的な対応ではなく相手に応じて確認する必要があります。
秘密保持は書類だけで完結しません。社内で資料を置く場所、メールの宛先、ファイル名、オンライン会議の表示名、紙資料の印刷管理、スマートフォン通知の扱いまで意識します。小さな運用ミスが、意図しない情報漏えいにつながることがあります。
ノンネーム資料で伝えるべき情報
- 業種と提供サービスの概要。特定されすぎない範囲で、何を強みにしている企業かを示す。
- 丸の内、大手町、日本橋、神田、東京駅周辺など、商圏や顧客基盤の特徴を抽象化して伝える。
- 売上、営業利益、EBITDAの水準。特殊要因がある場合は、後で説明できるようにメモを残す。
- 従業員数、資格者数、営業担当数、技術者数など、事業継続に関わる人的基盤を整理する。
- 顧客属性、契約期間、継続率、解約率、紹介比率など、買い手が事業の安定性を判断しやすい情報を入れる。
- 譲渡後に守りたい条件。従業員承継、顧客承継、屋号やブランド、代表者の関与期間などを明確にする。
買い手候補探索は数より相性を重視する
M&Aでは、買い手候補を多く集めればよいとは限りません。丸の内周辺のBtoB企業や専門サービス会社では、顧客との信用、従業員の専門性、長期契約、紹介ネットワークが企業価値の中心になっていることが多く、単純な高値提示だけで進めると、譲渡後の事業継続に不安が残る場合があります。
候補探索では、同業会社、隣接業種、地域補完型の企業、顧客基盤を活用できる企業、採用やIT投資に強い企業、事業承継を目的とする企業など、複数の軸で考えます。たとえば、丸の内の法人向けサービス会社であれば、大手町の金融機関向けネットワークを持つ会社、日本橋の商社系企業、神田のIT支援会社、東京駅周辺のコンサルティング会社など、隣接する商圏の候補が実務上の相性を持つことがあります。
候補を絞る際は、買収資金の有無だけでなく、秘密保持の姿勢、意思決定の速さ、DDの進め方、代表者保証への理解、従業員承継への配慮、既存顧客に対する説明能力、PMI体制を見ます。譲渡企業様にとっては、譲渡後の評判が残るため、交渉過程の姿勢も重要な判断材料です。
同業への開示には慎重さが必要です。同業が最も高く評価できる場合もありますが、顧客情報や人材情報の取り扱いに注意が必要です。ノンネーム段階で開示する情報を絞り、NDA締結後も段階的に情報を出すことで、リスクを抑えながら候補を見極めます。
丸の内周辺企業でDD前に整理したい論点
DDは、買い手や譲受企業が譲渡対象会社を確認する重要な工程です。財務DD、税務DD、法務DD、労務DD、ビジネスDD、IT DDなど、案件によって範囲は異なります。中小企業のM&Aでは、全領域を大規模に行うとは限りませんが、譲渡企業様が早めに論点を整理しておくと、交渉の安心感が高まります。
財務面では、役員報酬、保険、交際費、家族従業員、オーナー個人との取引、遊休資産、一時的な費用、未回収債権、在庫評価、前受金、借入金を確認します。丸の内周辺の専門サービス会社では、売上が人員稼働や契約更新に左右されることがあるため、月次推移と主要顧客別の売上推移が重要です。
法務面では、取引基本契約、業務委託契約、賃貸借契約、リース契約、ソフトウェア契約、許認可、個人情報保護、知的財産、株主間の合意、反社会的勢力排除条項、COC条項を確認します。COC条項は、支配権変更時に相手方の承諾が必要になる条項です。重要契約にCOC条項がある場合は、譲渡スキームや説明時期に影響します。
労務面では、従業員承継、雇用契約書、就業規則、未払い残業、退職金制度、社会保険、キーマンの処遇、資格者の継続勤務を確認します。とくに士業関連、IT、人材、不動産関連、建設関連では、資格者や責任者が抜けると事業継続に直結することがあります。
ビジネス面では、顧客承継が中心論点になります。顧客が代表者個人に強く紐づいているのか、会社のサービス品質に紐づいているのか、担当者変更に耐えられるのか、契約書上の承諾が必要かを確認します。顧客との関係性が強い会社ほど、代表者の引継ぎ期間を長めに設計することで買い手の不安を下げられます。
DD前チェックリスト
- 直近3期分の決算書、勘定科目内訳書、法人税申告書、月次試算表を整理する。
- 主要顧客別売上、契約期間、更新時期、解約条項、取引基本契約の有無を確認する。
- 代表者保証、金融機関借入、担保、リース、保証債務を一覧化する。
- 賃貸借契約、オフィス移転制限、敷金、原状回復、名義変更の条件を確認する。
- 従業員一覧、役割、資格、雇用契約、給与水準、退職金制度を整理する。
- 許認可、個人情報、クラウド契約、ソフトウェアライセンス、セキュリティ体制を確認する。
- 株主構成、株券発行の有無、過去の増資や譲渡、親族株主の意向を確認する。
代表者保証と金融機関対応
譲渡企業様が会社譲渡を検討する理由の一つに、代表者保証や金融機関借入の整理があります。丸の内周辺の企業でも、創業時の借入、運転資金、設備投資、オフィス移転、採用投資に伴う借入が残っていることがあります。M&Aでは、株式譲渡、事業譲渡、会社分割などスキームによって借入や保証の扱いが異なるため、早い段階で確認が必要です。
株式譲渡の場合、会社の借入は原則として会社に残りますが、代表者保証の解除や差し替えが必要になることがあります。金融機関との協議は、買い手候補が固まり、基本合意に近づいた段階で進めることが多いものの、事前に借入一覧と保証状況を把握しておかないと、条件交渉の後半で予定が崩れることがあります。
事業譲渡の場合は、譲渡対象資産、負債、契約を個別に移す設計になります。取引先や金融機関、賃貸人、許認可の関係で承諾が必要になる場面があり、スケジュール管理が重要です。税務や会計への影響もあるため、個別判断は税理士、公認会計士、弁護士などの専門家に確認しながら進める必要があります。
金融機関には、相談のタイミングと説明内容が大切です。早すぎる説明は不要な不安を招くことがあり、遅すぎる説明は手続き上の遅延につながります。譲渡企業様の意向、買い手の信用力、返済計画、代表者保証の解除見込み、譲渡後の資金繰りを整理したうえで、段階的に相談するのが現実的です。
賃貸借契約とオフィスの承継
丸の内、大手町、日本橋、東京駅周辺では、オフィスの立地そのものが信用につながっている企業もあります。顧客が来訪する士業、コンサルティング、不動産関連、人材関連、専門サービスでは、オフィス移転が顧客の印象に影響することがあります。そのため、賃貸借契約はM&Aの早い段階で確認したい論点です。
賃貸借契約では、名義変更、転貸、用途制限、保証金、解約予告期間、原状回復、保証会社、連帯保証人、支配権変更時の通知義務を見ます。株式譲渡であっても、契約上の通知や承諾が必要になることがあります。事業譲渡では、賃貸人の承諾が必要になる場面が多く、引継ぎスケジュールに影響します。
買い手が譲渡後に同じ場所で事業を続けたいのか、別拠点へ統合したいのかによって、従業員や顧客への説明も変わります。譲渡企業様としては、従業員の通勤、顧客対応、来訪頻度、オフィスブランドを含めて、守りたい条件を早めに整理しておくと交渉しやすくなります。
譲渡スキームと契約実務の基本
中小企業M&Aで多いのは株式譲渡ですが、事業内容、許認可、借入、契約、税務、株主構成によっては事業譲渡や会社分割を検討する場合もあります。株式譲渡は会社全体を引き継ぐため契約関係を維持しやすい一方、簿外債務や過去のリスクも含めて買い手が確認します。事業譲渡は対象を選びやすい一方、契約移転や従業員承継の個別手続きが増えます。
取引基本契約や最終契約では、譲渡価格、譲渡日、表明保証、補償、前提条件、競業避止、役員退任、退職慰労金、引継ぎ期間、従業員への説明時期、顧客への案内方法などを定めます。表明保証は、決算、税務、契約、法令遵守、労務、許認可、反社会的勢力排除などについて、譲渡企業様が一定の事実を確認する条項です。
契約書は雛形だけで判断せず、案件の実態に合わせて確認することが重要です。法務、税務、会計、労務に関する判断は一般論だけでは足りないため、弁護士、税理士、公認会計士、社会保険労務士など専門家の確認を受けながら進める必要があります。大手町M&A総合センターでは、必要に応じて士業と連携し、譲渡企業様が判断しやすい材料を整理します。
従業員承継と顧客承継の設計
丸の内周辺の企業では、従業員の専門性や顧客との関係が企業価値を支えているケースが少なくありません。譲渡価格だけに目を向けると、従業員説明のタイミングや顧客承継の設計が後回しになり、譲渡後の不安につながります。M&Aの初期段階から、誰に、いつ、どのような言葉で伝えるかを考えることが大切です。
従業員承継では、雇用条件、勤務地、役割、評価制度、給与水準、福利厚生、経営陣の変更、代表者の関与期間を確認します。買い手側が条件を守る意向を示していても、具体的な運用が曖昧だと従業員は不安を持ちます。キーマンについては、個別面談の時期、インセンティブ、引継ぎ役割、退職リスクへの対応を検討します。
顧客承継では、顧客が何を不安に感じるかを考えます。担当者が変わるのか、契約条件が変わるのか、請求や窓口が変わるのか、サービス品質が維持されるのか、個人情報や機密情報が守られるのかを明確にします。顧客説明は、譲渡企業様と買い手が同席し、継続体制を具体的に伝える方法が有効な場合があります。
譲渡後のPMIでは、組織、会計、IT、営業、顧客対応、ブランド、規程、セキュリティ、採用、人事制度を統合または調整します。PMIの負担が大きい案件では、買い手側の体制を事前に確認し、譲渡企業様の代表者がどの範囲まで支援するかを契約前にすり合わせることが重要です。
譲渡企業様の当社手数料0円をどう捉えるか
会社譲渡を検討する際、費用体系は非常に重要です。大手のM&A仲介会社では、譲渡企業様側にも最低成功報酬が設定されていることがあり、案件によっては2,500万円前後の成功報酬が負担になるケースもあります。費用負担が重いと、相談そのものをためらう企業オーナーもいます。
大手町M&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金、中間金、月額報酬、成功報酬を含めて当社手数料をいただかない方針です。譲渡企業様にとっては、検討初期の段階で相談しやすく、価格や条件の見通しを確認しながら判断できます。もちろん、税理士、弁護士、公認会計士、社会保険労務士など外部専門家を個別に依頼する場合の費用は別途発生する可能性がありますが、当社のM&A支援に関する譲渡企業様側手数料は0円です。
手数料0円であっても、検討の質を落としてよいわけではありません。むしろ、秘密保持、候補探索、ノンネーム資料、NDA、DD対応、契約前の論点整理、従業員承継、顧客承継、PMIの見通しを丁寧に整えることで、譲渡企業様が納得して判断できる状態を作ることが大切です。
費用体系は、M&A会社ごとに異なります。成功報酬の対象、最低報酬、消費税、外部専門家費用、専任契約、直接交渉の制限、途中解約の扱いを確認し、契約前に書面で理解しておくことをおすすめします。
丸の内・大手町・日本橋で相談前に準備したい資料
相談前の準備は、完璧でなくて構いません。資料を集めること自体が負担になって相談が遅れるより、まずは現状を整理し、足りない資料を後から補うほうが現実的です。以下の資料があると、初回相談で見通しを立てやすくなります。
- 会社概要、沿革、主要サービス、組織図、株主構成。
- 直近3期分の決算書、申告書、勘定科目内訳書、月次試算表。
- 主要顧客別売上、契約期間、取引基本契約、継続契約、解約条項。
- 従業員一覧、雇用形態、資格、担当業務、給与水準、退職金制度。
- 借入一覧、代表者保証、担保、金融機関との取引状況。
- 賃貸借契約、リース契約、保険契約、重要な外部委託契約。
- 許認可、届出、個人情報管理、情報セキュリティ、システム利用契約。
- 譲渡後に守りたい条件、代表者の希望関与期間、従業員と顧客への説明方針。
業種別に見られやすい実務論点
同じ丸の内 M&Aでも、業種によって買い手が確認するポイントは変わります。BtoBサービス会社では、継続契約、解約率、営業担当への依存、主要顧客の集中度が見られます。顧客が大手企業に偏っている場合は、契約更新の履歴、担当部署の関係性、競合切替の難しさを説明できると、収益の安定性を伝えやすくなります。
IT企業やSaaS関連会社では、売上の種類を丁寧に分ける必要があります。月額利用料、保守費、受託開発、スポット対応、ライセンス販売が混ざっている場合、買い手は継続性を確認します。ソースコードの権利、クラウド契約、セキュリティ、個人情報、開発者の定着、障害対応体制も重要です。ARRや解約率のような指標を使う場合でも、数字だけでなく顧客の利用実態を説明できることが大切です。
士業関連や専門サービス会社では、代表者や有資格者への依存度が中心論点になります。顧客が誰に相談しているのか、担当者が交代しても継続できるのか、紹介元との関係を誰が持っているのかを整理します。顧問契約が多い会社では、契約書上の承諾条項、守秘義務、利益相反、担当者変更時の説明方法も確認が必要です。
不動産関連会社では、宅地建物取引業、管理業、仲介、賃貸管理、プロパティマネジメント、開発支援など事業内容によって見られる点が変わります。許認可、専任取引士、管理戸数、オーナーとの契約、保証会社、敷金管理、反社チェック、広告媒体アカウント、賃貸借契約の承継が論点になります。丸の内や日本橋の法人顧客を持つ会社では、紹介元や金融機関との関係も価値の一部になります。
人材会社では、職業紹介、派遣、採用代行、研修、顧問型人事支援などで許認可と契約形態が異なります。求職者情報や候補者データベースの管理、個人情報保護、派遣先との契約、稼働者の雇用条件、紹介返金規定、担当コンサルタントへの依存が確認されます。買い手にとっては、譲渡後も候補者と企業顧客の信頼が維持されるかが重要です。
建設業やオフィス関連サービスでは、許認可、主任技術者、協力会社、工事保証、瑕疵対応、現場管理、未成工事、仕掛案件、労務安全、元請・下請関係が見られます。丸の内・大手町のオフィス顧客を持つ企業では、ビル管理会社、オーナー、テナント企業との関係が事業価値に影響します。譲渡前に未成工事や保証対応を整理しておくと、DDで説明しやすくなります。
商社・卸会社では、仕入先、販売先、在庫、与信、取引基本契約、物流、輸入取引、為替、リベート、独占販売権、返品条件が論点になります。日本橋や大手町に近い企業では、長年の取引信用が強みである一方、代表者個人の関係に依存している場合があります。仕入先と販売先の双方に対して、譲渡後も取引が続く根拠を示すことが大切です。
地域別に考える候補探索の視点
丸の内だけで候補を探す必要はありません。大手町、東京駅、日本橋、神田、神保町は徒歩圏や短時間移動の範囲で商圏が重なり、顧客や士業ネットワークも接続しています。譲渡企業様の事業内容によっては、同じ丸の内の同業よりも、隣接エリアの補完型企業のほうが事業承継に向くことがあります。
大手町は金融機関、専門サービス、BtoB支援、情報サービスとの相性が高い地域です。資金力や大企業顧客への接点を持つ譲受企業が候補になる場合、丸の内の顧客基盤と大手町の営業網を組み合わせることで、譲渡後の成長余地を説明しやすくなります。ただし、大企業グループほど社内承認やDDのプロセスが長くなることがあるため、スケジュール管理が必要です。
日本橋は商社、卸、老舗企業、不動産、地域密着型サービスとの接点があります。長年の取引信用を持つ会社同士では、数字だけではなく、取引先の紹介、商品知識、在庫管理、商流の理解が評価されます。日本橋の候補と交渉する場合は、顧客や仕入先に対する説明順序を特に丁寧に設計します。
神田や神保町は、中小規模のIT、出版、教育、専門サービス、士業、制作会社が集積しています。丸の内の法人顧客を持つ会社が、神田・神保町の実務力ある企業に引き継がれると、顧客対応の柔軟性やサービス開発力が高まることがあります。候補探索では、所在地の知名度だけでなく、現場が動く力を見ます。
東京駅周辺は、全国展開や地方拠点を持つ企業との接点を作りやすい地域です。地方企業が東京顧客を強化したい場合、または東京の会社が地方拠点を活用して人材や開発体制を広げたい場合、M&Aが地域間の橋渡しになることがあります。こうした候補には、顧客説明、ブランド維持、PMIの責任者を早めに確認します。
初回相談で決めなくてよいこと、決めておきたいこと
初回相談の段階で、譲渡価格、譲渡時期、候補先、契約条件をすべて決める必要はありません。むしろ、最初から結論を急ぐと、情報開示や候補選定を誤る可能性があります。初回相談では、会社譲渡が選択肢になり得るか、譲渡企業様が守りたい条件は何か、どの範囲まで情報を出せるかを確認できれば十分です。
一方で、決めておきたいこともあります。第一に、秘密保持の範囲です。社内で誰まで知っているか、家族株主や共同創業者にいつ相談するか、顧問税理士や弁護士にどの段階で共有するかを考えます。第二に、譲渡後に守りたいものです。従業員の雇用、顧客との関係、ブランド、オフィス、代表者の関与期間、取引先への説明方法を優先順位として整理します。
第三に、検討を止める条件です。価格が一定水準に届かない場合、従業員条件が守られない場合、同業への開示を避けたい場合、代表者保証が解除できない場合など、譲渡企業様が譲れない条件を明確にしておくと、交渉が進んだ後に迷いにくくなります。M&Aは進めることだけが正解ではなく、納得できなければ進めない判断も大切です。
第四に、社内の資料管理です。相談を始めると、決算書、契約書、従業員情報、顧客情報、借入資料などを確認する場面が増えます。資料を担当者個人の端末に散らしたままにせず、開示範囲とファイル管理を決めておくと、後のDD対応が安定します。情報セキュリティの観点でも、閲覧権限、共有リンク、パスワード、ダウンロード制限を意識します。
相談から成約までの流れ
最初の相談では、会社名を伏せたままでも構いません。業種、地域、規模、収益性、検討背景、守りたい条件を確認し、M&Aが現実的な選択肢になるかを整理します。ここで無理に進める必要はありません。
次に、匿名のノンネーム資料を作り、候補となる買い手や譲受企業の方向性を確認します。候補の関心が得られた場合でも、実名開示前にNDAを締結し、情報開示範囲を限定します。
候補との面談では、価格だけでなく、事業理解、従業員承継、顧客承継、代表者の引継ぎ期間、PMI体制を確認します。複数候補がいる場合は、条件面と相性面を整理し、優先順位をつけます。
基本合意後はDDに進みます。財務、税務、法務、労務、ビジネス、ITなど、必要な範囲の確認を受けます。譲渡企業様側では、資料提出、質疑応答、現地確認、契約論点の調整を行います。
最終契約では、譲渡価格、支払方法、クロージング条件、表明保証、補償、競業避止、従業員説明、顧客説明、代表者の関与を確認します。クロージング後は、PMIと引継ぎを進め、事業が安定して移行するよう支援します。
よくある質問
丸の内の会社であることはM&Aで評価されますか。
所在地だけで価格が決まるわけではありません。ただし、丸の内・大手町・東京駅周辺の法人顧客、金融機関、士業、専門サービスとの接点がある場合、信用や紹介ネットワークとして評価されることがあります。実際には、売上の継続性、利益水準、顧客分散、従業員承継、契約内容と合わせて見られます。
従業員に知らせる前に相談できますか。
可能です。初期相談では、社名を伏せた匿名相談やノンネーム資料で検討できます。従業員への説明は、買い手候補、条件、引継ぎ方針が固まってから行うことが一般的ですが、キーマンの関与が必要な場合は慎重にタイミングを設計します。
代表者保証はM&Aで解除できますか。
解除できる可能性はありますが、借入の内容、金融機関の判断、買い手の信用力、譲渡スキームによって異なります。株式譲渡の場合は、代表者保証の解除や差し替えを金融機関と協議する必要があります。個別判断は金融機関や専門家と確認しながら進めます。
ノンネーム資料だけで買い手候補は関心を示しますか。
ノンネーム資料だけで最終判断はできませんが、初期関心を確認するには十分な場合があります。業種、規模、収益性、地域、顧客属性、譲渡背景、成長余地を適切に整理することで、実名開示前に候補の温度感を測れます。
譲渡企業様の手数料0円でも本当に相談できますか。
はい。大手町M&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金、中間金、月額報酬、成功報酬を含めて当社手数料をいただきません。外部専門家を個別に依頼する場合の費用は別途発生する可能性がありますが、当社支援に関する譲渡企業様側手数料は0円です。
法務や税務の判断も任せられますか。
M&Aの実務論点は整理できますが、法務、税務、会計、労務の個別判断は専門家の確認が必要です。契約書、税務影響、労務リスク、許認可、個人情報などは、弁護士、税理士、公認会計士、社会保険労務士などと連携して確認することをおすすめします。
丸の内以外の大手町、日本橋、神田、神保町の会社も相談できますか。
相談できます。大手町・丸の内・日本橋・神田・神保町・東京駅周辺は、法人向け事業や専門サービスの商圏が重なりやすく、候補探索でも地域のつながりを意識することがあります。所在地だけでなく、顧客属性や事業内容に合わせて検討します。
関連ページ
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丸の内で会社譲渡を検討し始めたら
M&Aは、会社を手放す手続きというより、従業員、顧客、取引先、金融機関、そして経営者ご自身の次の時間をどう守るかを考えるプロセスです。丸の内や大手町周辺の企業では、信用や紹介で成り立つ事業が多いからこそ、秘密保持、候補選定、資料開示、契約、引継ぎの順番が重要になります。
まずは、社名を伏せた段階で、会社譲渡が現実的な選択肢になるかを確認してください。譲渡企業様からは、当社の着手金、中間金、月額報酬、成功報酬を含めて手数料0円で相談できます。大手他社では最低成功報酬2,500万円などの設定がある場合もあるため、費用体系を比較しながら、納得できる進め方を選ぶことが大切です。
大手町M&A総合センターでは、丸の内・大手町・日本橋・神田・神保町・東京駅周辺の企業オーナーが、秘密を守りながら会社譲渡や事業承継を検討できるよう支援しています。従業員や顧客に伝える前の段階でも、匿名相談として状況を整理できます。気になることがあれば、譲渡相談フォームまたはお問い合わせからご相談ください。

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